Contents
原料ブドウとブドウの栽培
1.ワイン用主要ブドウと産地
ブドウ属には多くの種がありますが、原産と考えられる地域により以下の3つに大別されています。
■ヴィティス・ヴィニフェラ(シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロなど)
・ワイン醸造に適していますが、フィロキセラに対応能力が無い
・乾燥した気候を好み、雨が多い気候に弱い
■ヴィティス・ラブルスカ(コンコードなど)
・フォキシー・フレーヴァーと呼ばれる特徴的な香り
・湿った気候に適応し、耐病性が高い
・ヴィティス・リバリア
・ヴィティス・ルペストリス
・ヴィティス・ベルランディエリ
→これら3つの原種は台木用として根の部分だけに使われています。
■ヴィティス・アムレンシス
■ヴィティス・コワニティ
世界的にワイン用として利用されているものは欧・中東系種が多く約5000品種あると言われていますが、そのうち現在世界で栽培されているのは約1000品種と思われ、実際にワインに使用されるのは約100種程度となっています。
2.ブドウの構造
①梗:タンニン
②果肉と果汁:酒石酸、りんご酸、クエン酸、ブドウ酸
※種と種の間の部分が最も酸度が高い
③果皮:アントシアニン類、フラボノイド、リスベラトロール(約1%程ど)
※果皮の内側が糖度が高い
※黒ブドウの果皮には色素(アントシアニン)が多量に含まれる
④蝋質:酵母(果実からの水分蒸発を防いでいる部分)
⑤種子:カテキン類、ケルセチン、プロシアニジン、タンニン
※種が最もポリフェノールを含む
3.ブドウ品種の選抜
■クローナル(クローン)・セレクション
・優秀な特性の親株の枝を取って、挿し木で増やす方法、同一の遺伝子情報を持つので、クローンと呼ばれる
■マサル・セレクション(集団選抜)
・畑内で性質の良い複数の株を選んで苗を作り植える方法
・クローナル・セレクションより遺伝子の多様性が見込める
■交配とは同種を掛け合わせること
■交雑とは異種の掛け合わせを行うこと
4.栽培に関する条件
■年間平均気温が10℃〜20℃(ワイン用ブドウ栽培においては酸が大切なので10℃〜16℃が最適)
■気温が10℃程度になると地上樹部の活動が始まる
■北半球では北緯30度から50度、南半球でも南緯30度から50度の地域にほとんどのブドウ生産地が含まれている。
■開花期15℃〜25℃。着色・成熟期は20℃〜25℃。
■また1年のうちでは暑い季節と寒季節が訪れる気温のサイクルが望ましい
■ブドウの成熟に必要な生育期間の日照量は1000時間から1500時間
■光合成を行うプロセスとして最低限の日照と適度な気温は必要
■年間降水量500mm〜900mmが望ましい
保水性を保ちながら排水性の良い構造が望ましい
ワイン概論からの模擬テスト✏️
問題1
次の中から中近東が原産のブドウ品種を選択してください
①ヴィティス・ヴィニフェラ
②ヴィティス・ラブルスカ
③ヴィティス・コワニティ
④ヴィティス・リペストリス
問題2
ブドウの粒の中で最も酸度が高い部分を選択してください
①種
②梗に近い部分
③果皮の内側
④種と種の間
問題3
ワイン用ブドウの栽培に最も適している着色、成熟期の気温を選択してください。
①10〜20℃
②10〜16℃
③20〜25℃
④15〜25℃