食後酒(ディジェスティフ)におすすめのワイン
フランス語では食後酒のことを「ディジェスティフ」と言います。
シャンパーニュやスパークリングワインの泡は食前に楽しむことで食欲を増進させる効果があります。食事前に泡もので乾杯することは日本でも馴染みのある行為です。
海外ではそれに加え、食後にデザートやチーズと一緒にアルコール度数の高いワインを飲むところが多いです。この行為はただ優雅に美味しい甘味やチーズを楽しむだけではなく、胃を刺激し、消化を促すこともできるのです。
食後におすすめのワインの種類
食後には貴腐ワインやアイスワインのようなデザートワインも良いですが、ポートワインやコニャックなどの酒精強化ワインもおすすめです。
酒精強化ワインには世界3大酒精強化ワインと呼ばれている有名なものがあり
●ポルトガルのポート
●ポルトガルのマディラ
●スペインのシェリー
が世界3大酒精強化ワインと呼ばれています。
近年ではさらに
●イタリアのマルサラを加えて4大酒精強化ワインと呼ぶこともあります。
特にポートワインは「ポルトガルの宝石」と異名をとるほど素晴らしく、長いものでは40年〜50年の塾生を得て生産される、エレガントで芳香な香を纏ったワインになります。
チョコレートやブルーチーズなどと合わせるととても美味しいです。
ポートワインとは
ポートワインとは、ポルトガルのドウロ地方で造られる酒精強化ワインで、簡単に説明するとブランデーを添加して造られるワインです。
収穫後発酵槽で発酵と醸しを行いますが、求める残糖度になった時点で発酵中の液を抜いて、77%のグレープスピリッツ(ブランデー)を添加して発酵を止めます。アルコールの添加量は最終的に求めるワインのアルコール度数と糖度によって計算されています。
甘口ワインでは珍しく、赤ワインとして楽しめます。
ポートの畑はカダストロと呼ばれる特有の格付けがなされています。
ポートワインの歴史
ポルトガルのワインですが、元々イギリスに輸出する為に造られ始めたワインで、現在でも最大のマーケットはイギリスです。
ですので、ラベルもポルトガル語ではなく、ほとんどのものが英語表記で販売されています。
カスティーリャ王国との戦いの後、1143年カスティーリャ王国の宗主下でポルトガル王国が誕生しましたが、この頃からポルトガルワインはイギリスに輸出されていました。
その後、織田信長の時代に南蛮貿易が始まりましたが、この時に初めて日本にもたらされたワインが「珍蛇酒(ちんたしゅ)」と呼ばれるもので、赤ワインのヴィーニョ・ティントがチンタに変わって伝わったという説もあります。
日本で始めて伝わったワインに関しては、こちらのブログで詳しく紹介しています😊
日本では、サントリー創業者の鳥居信治郎氏が、日本人の好みに合わせて試行錯誤を重ね作り上げたポートワインのような美味しさの「赤玉ポートワイン」が昔、大ヒットして、ポートワインが有名になりましたが、原産地保護の観点から現在では「赤玉スィートワイン」と名称を変更しています。
ポートワインの飲み方・保存方法
安価なポートワインならキンキンに冷やして小ぶりのグラスで楽しみましょう。ヴィンテージものなど、高級なポートワイン冷やしすぎると味わいが鈍ってしまいますので、常温より少し冷えた程どがおすすめです。
このようなグラスがおすすめです。
保管場所はワインセラーがあれば理想的ですが、無い場合は冷暗所で保管しましょう。
高級ポートは12度から13度くらいの設定がおすすめです。
通常のワインと比べると日持ちしましので、開封後も冷蔵庫等で保管することで、そのまま1ヶ月〜2ヶ月は楽しめます😊