イギリスで生産されているワインの70%がスパークリングワインとなっており、土壌も製法もシャンパーニュと変わらないルーツで生産されています。
ブドウ品種は従来まではミュラー・トゥルガウやバッカスなど寒冷地の生産に適した品種を栽培していましたが、現在ではシャンパーニュ地方と同じく、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの生産が多くなっています。
イギリスワインの歴史
イギリスでワイン造りが始まった時代は諸説あるのですが、本格化したのは11世紀のことでした。
イングランド王ウイリアム1世がノルマン朝を開いた際、ヨーロッパ大陸から聖職者が移住し、ワイン造りを始めたと古い文献で明らかになっています。
始めは修道院などで栽培されていたブドウですが、その後、ブドウ栽培やワイン造りのノウハウは聖職者たちによって貴族の間でも広まります。
しかし、16世紀の宗教改革によりブドウ畑は荒廃し、低迷期を迎えてしまいます。
一度は衰退してしまったイギリスワインの生産が再び始まったのは第二次世界大戦が終わったあとからになります。
そして、1997年に開催されたワインの国際コンクールで、イギリスのスパークリングワインが金賞に輝いたことをきっかけに、歴史的にも今勢いのある生産国がイギリスとなっています。
イギリスの主要ブドウ産地
昔は寒冷地帯だった北緯50度の南東部が現在、イギリスのワイン産地となってます。1952年のからはじまった商業用のブドウが成長し、現在では500以上のブドウ農家と150余りのワイナリーが点在しています。
特に、ウエスト・サセックス州とケント州の土壌はシャンパーニュと同じキンメリジャン土壌からなっています。イギリスワインが脚光を浴びるきっかけとなったアメリカ人夫婦が生産しているスパークリングワイン「ナイティンバー」はウエスト・サセックス州から生み出されています。
その他、イギリスのワイン産地の主な州としてはドーセット州があげられます。「キンメリジャン土壌」とはシャブリやシャンパーニュで有名ですが、この土壌の名前はこのドーセット州ジュラシック・コートのあるキンメリッジ村が言葉の由来となっているそうです。