ソムリエ試験

2021年ソムリエ・ワインエキスパート試験対策】3–1 ワイン醸造|赤ワインの醸造方法

ここを理解できれば、ワインのテイスティングも楽しくなりますよ。

✅ソムリエ・エキスパートの試験では特に赤ワインの醸造がよく出題されます✒️しっかり、理解しておきましょう。

✅問題では文章で工程を聞かれる場合があります。

✅フランス語、英語で工程の名前を覚えましょう。スーティラージュやコラージュ、ウイヤージュは定番問題です。(今年から教本に英語が加わりました)

✅ルモンタージュの効果をしっかりと理解しましょう

 

ブドウの構造のおさらいです!

ブドウのどこの部分にどんな成分が含まれているかしっかり、覚えておきましょう(^ ^)

①茎の部分は「こう」と呼ばれていてタンニンと苦い油が入っています

③果皮・・・黒ブドウには色素やタンニンが入っています。白ブドウの場合には違う色素の成分が入っています。

④蝋質(蝋粉)・・・ブドウを買った場合に、白い粉がついている場合ありませんか?これが蝋粉であり酵母です。

 

赤ワインの醸造

https://youtu.be/IJsE3o-TycA

赤ワインの醸造はイメージできたほうが楽しいので、3分動画も参考にどうぞ😀

収穫

 

ワインの生産者が最も忙しい季節です。

収穫されたブドウはその時から酸化が進み、劣化していきますので、すぐに選果されます。

新鮮なうちに醸造に取り掛かったほうが、美味しいワインに仕上がります。

選果

 

未熟なブドウや腐ったブドウ、葉っぱなどを取り除く作業です。良いブドウだけを選んでいくという作業ですが、熟練の技が必要です。

最近では機械による選果で行われているところも多いです。

徐梗・破砕

徐梗とは茎を取り除く作業です。

茎がワインに入ってしまうと、とても苦いワインになってしまいます。

破砕とは優しくブドウの粒をプレスして果汁を取り出すことです。

徐梗と破砕は通常一連の流れで同じ機械を使って施される作業です。

この際、酸化防止や殺菌作用のため、亜硫酸(二酸化硫黄)を添加します。

主発酵

ブドウジュースの中の酵母(サッカロミセス・セレヴィシェ)により、ブドウジュース(糖分)はエタノールと二酸化炭素に分解されます。熱と香り成分もこの時生成されています。

✅補糖(シャプタリジャシオン)するかどうか←アルコールを上げるため

✅天然酵母にするか培養酵母にするか

✅何度でアルコール発酵するか→白は20℃くらい、赤は30℃くらい

✅ステンレスタンクを使うか、樽を使うか、アンフォラを使うか🏺

果皮から色、種からタンニンの成分を抽出していくため、赤ワインは温度を高くしています。そのため、発酵に使う容器を選ぶことも重要になってきます。

ステンレスタンクは温度管理や衛生管理が樽よりも簡単なため、この際はステンレスを使う生産者が多いです😊

醸し

 

発酵が進むとアルコール度数が上がり、3〜4日すると果皮からは赤い色素のアントシアニン、種子からは渋みの成分であるタンニンが抽出されていきます。

長期熟成タイプのワインを作る場合は醸し期間を長くします。

写真のようにブドウの皮や果肉が液面に押し上げられているのは発酵で生じる二酸化炭素の圧力によるものです。これを果帽と言います。

この醸しには2つの方法があります。

●1つ目・・・発酵タンクの容量が小さい場合は、人力による櫂つき(かいつき)を行います。英語:Punching down 仏:Remontage(ルモンタージュ)

●2つ目・・・ポンプで下から果汁を引きぬいて、上からかけていく方法。英語:pumping over 仏:Remontage(ルモンタージュ)

ルモンタージュの効果・・・

👉酸素供給

👉糖分、酵母、温度を平均化

👉果皮・種子からの成分(フェノール類)の抽出



 

圧搾

 

ワインが出来上がった状態ですが、タンクや樽の中には種子や果皮が混ざった状態です。

そこで、液体だけを引き抜く方法を圧搾と言います。

ここからのマロラクティック発酵と熟成は同時進行で行われる場合が多いです。教本の場合はマロラクティック発酵が先に表示されています。

マロラクティック発酵/MLF

圧搾が終わった段階の状態ではまだ、ワインの味が暴れている状況ですので、寝かせて味わいを落ち着かせていく作業のことをマロラクティック発酵と言います。

ここではアルコール発酵ではないことを覚えておきましょう😊

マロラクティック発酵は具体的に言うとリンゴ酸が乳酸菌の働きによって乳酸と二酸化炭素に変わることです。

【マロラクティック発酵の効果】

✅酸味が和らぎまろやかになる

✅ダイアセチルなどの香りにより複雑性を増して、白ワインが芳香な香りになります

✅瓶詰め後の微生物学的安定性が向上する

カミュたん
カミュたん
白ワインはバターやヨーグルトのような香りになることが特徴だよ✨赤ワインにはこの香りが出ないことも特徴です

貯蔵・熟成・育成

 

発酵が終わった赤ワインは樽またはタンクで貯蔵されますが、木樽を用いられる場合がほとんどです。樽で育成させる場合はワインが一定量蒸発するため、定期的に捕酒作業(Ouillage ウイヤージュ)を行う。

【木樽熟成による効果】

・穏やかな酸素との空気接触

・樽から(ココナッツの香りやタンニン)の成分抽出

清澄化の促進

・赤ワインの色調の安定化

・フェノール成分の重合による沈殿

・風味の複雑化

澱を取り除く作業。

発酵が終わったワインは澱によって濁っているので、定期的に上澄みのみを別の容器に移し替えていきます。

 

熟成の終わったワインを澄ませる作業です。

澱などにより濁っているワインを清澄剤(赤/ゼラチン、卵白、タンニン 白/ベントナイト、カゼイン)を入れて清澄することです。

瓶詰め

そして、最後に瓶詰めされてワインの醸造作業は終わりになります😊

早飲みタイプのワインは瓶詰め後すぐに出荷されますが、熟成タイプのワインは貯蔵庫に寝かせ、さらに熟成続けています。

 

様々な赤ワインの醸造法

セニエ法(Saignée)

●ロゼワインでも使用される醸造方法の一つですが、赤ワインでも風味の凝縮が目的で用いられる場合があります。直訳は「血抜き」「瀉血(しゃけつ)」

●発酵開始前に果汁を一部抜き取り、果醪中の果皮の割合をあげることで、色などの凝縮を図る方法

マセラシオン・ア・ショー(Macération à chaud)

果醪に熱を加える赤ワインの醸造法で以下のマセラシオン・プレフェルメンテール・ア・ショーとマセラシオン・ファイナル・ア・ショーの2つに分けられています。

マセラシオン・プレフェルメンテール・ア・ショー(Macération préfermentaire à chaud)

●破砕後、果醪を70℃前後まで加熱し、一定時間保持。色素やタンニン抽出を行い圧搾後、果汁を常温まで下げてから発酵させる方法。

(※加熱、冷却後、圧搾せずに果皮・種子ともに発酵させる場合もある)

●色素がよく抽出される。タンニンが少ないので早く飲める。

南フランスなどで行われている。

マセラシオン・ファイナル・ア・ショー(Macération finale à chaud)=MFC

●アルコール発酵が終了してからマロラクティック発酵が始まるまでの間、果醪中に果皮と種子が残っている状態で、30〜45℃に上げ、一定期間保持する方法。その後、果醪の温度はさがり、20℃以下になることもある。

●果醪中にアルコール分があるため、果皮や種子からのタンニン抽出を強めることができる。

マセラシオン・プレフェルメンテール・ア・フロア(Macération préfermentaire à froid)=MPF

●英語ではコールド・マセレーション

●発酵前低温(5〜15℃程度)浸漬。発酵前に果醪を数日〜10日間程度低温で保持させ、色素等の果皮成分を抽出させること。

●ブドウの酵素により、果実味のある赤ワインになる

フラッシュ・デタント(Flash détente)

●一定量の加熱したブドウ果粒を拡張空間(気圧を低く保った空間)に送り出すことで、果皮の細胞壁を破壊し、色素とタンニンを抽出しやすい状態にする方法。その後、果粒を常温まで冷却し、圧搾を行う。

●通常のマセラシオン・ア・ショーよりも果皮構造が壊れるため、果皮成分の抽出が良い。

 

カルボニック・マセレーション(Carbonic maceration)

●フランス語ではマセラシオン・カルボニック(Macération Carbonique)

●密閉タンクに未破砕の黒ブドウを房ごと豆乳し、二酸化炭素(炭酸ガス)気流中に数日置く方法。果皮の細胞内で酵素反応が起こり、アントシアニン色素が抽出されやすくなる。

その後、ブドウを圧搾し、白ワイン同様ブドウ果汁だけをアルコール発酵させる。

●ボージョレ・ヌーボーが代表的

●この方法で造られたワインにはエステル(酢酸イソアミル)によるバナナを思わせる特有の香りが生まれる。

ミクロ・オキシジェナシオン(Micro-oxygénation)

●ミクロの酸化の意

●ミクロ・ビュラージュ(ミクロの泡立ての意)

●発酵中又は貯蔵中の赤ワインに酸素を吹き込む方法。

1991年にフランス・マディランの造り手、パトリック・デュクルノーが開発。

●色素の安定化、果醪または、ワインが還元的になることを防ぐ。発酵の遅延を防ぐ。香りに熟成感を持たせる。ポリフェノールの酸化重合を促進させ、口当たりを柔らかくさせる効果などがある。

 



ABOUT ME
kamiyu
🍷JSA認定ソムリエ取得 ☕️コーヒーコーディネーター取得 🫖ティーコーディネーター取得 現在もソムリエとして世界中のワインを中心に勉強中✏️