白ワインの醸造方法は赤ワインと基本的には同じです。
赤ワインと白ワインの醸造方法の大きな違いは5つありますので、そこを覚えておきましょう😊
✅白ワインに関しては白ブドウ、黒ぶどう両方使用することが可能です。
👉赤ワインと違い果皮を使わず、果汁だけで醸造していきます。
✅赤ワインと違い、圧搾を発酵の前に行います。
✅果皮と種を取り除いた状態で醸造しますので、醸しの作業がありません。
✅発酵温度が低い
👉温度が低ければ低いほど、色々なフレーバーを持つワインに仕上がります。
✅赤ワインと違い、マロラクティック発酵は任意の作業です。ほとんどの白ブドウ品種はマロラクティック発酵を行いませんが、シャルドネに関してはマロラクティック発酵される場合が多く、バターのような香りを感じることが多いです。
それでは、赤ワインの醸造方法と白ワインの醸造方法の例(ソムリエ教本)を比較してみましょう。
スティルワインの醸造方法はほとんど違いがありません😊
ですので、ここでは簡単に絵のみで説明します。
白ワインの様々な醸造法
●マセラシオン・ペリキュレール
●白ワインのアルコール発酵に先立ち、短期間、果汁と果皮を接触させる方法
●目的は果皮からの香り成分の抽出
●果皮の漬け込み時間が長いと渋みが出てしまい、pHが上昇する
●果皮に色のついたグリ・ブドウではワインがピンクがかった色合いになってしまうこともある。
●英語ではセットリング
●圧搾後、白ワインのアルコール発酵に先立ち、亜硫酸を添加した果汁を単日間(半日ほど)低温で静置し、不純物を沈殿させて取り除く作業
●果汁が濁りすぎた状態で発酵させると異臭の原因となることがあるが、上澄を透明にしすぎても発酵が順調に進まないことがある
●ロワール地方で主に用いられる手法で「澱の上」という意味
●アルコール発酵終了後、澱引きを行わず、発酵槽の中でそのまま放置して長期間(半年程度)接触させておく方法
●澱からアミノ酸などの旨味成分が抽出され、味わいのある白ワインになる
●英語ではリーズ・ステアリング
●熟成期間中にタンクや樽の底に溜まった澱を棒(バトン)で攪拌し、その旨味成分を抽出する作業
●氷果糖結圧搾
●収穫したブドウ果房を人為的に−7℃以下の貯蔵庫で冷凍し、冷凍果実を圧搾し、得られた糖度の高い果汁を発酵させる白ワインの醸造方。
●甘口のワインにする場合が多い
ロゼワインの醸造法
ロゼワインに関しては以下のようになります。
一般的にスパークリングワイン以外は赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインを造ることを禁止している国が多いので、覚えておきましょう😊
セニエ法
黒ぶどうを原料として果皮を短時間漬け込む(マセラシオン)ことによって、果皮からの色を抽出する方法。
漬け込む時間によって濃淡が決まりますが、一般的には24時間以内となってます。
セニエとはフランス語で瀉血(しゃけつ)=血抜きの意味。
直接圧搾法
果皮の漬け込みはせず、直ぐに搾汁した薄い色合いの果汁から造られるロゼで、色合いは非常に薄くサーモンピンクです。玉ねぎの皮やうずらの目の色などと呼ばれています。
白ワインと同様の醸造方法で、今世界的に流行っている作り方はこちらです😊
混醸法
ドイツのロートリングのように、黒と白のブドウを混ぜた状態で発酵させる
オレンジワインの醸造法
オレンジワインとはワインがオレンジ色に見えるワインで、ブドウの果皮を漬け込んだワインの総称です。
主に醸造方法は以下の2通りです
●破砕したブドウをスキンコンタクト行った上で圧搾し、果汁を発酵する方法
●赤ワインと同様に果皮ごと発酵し、発酵途中または発酵終了後に圧搾する方法
後者の方がタンニンを多く含み、厚みのあるオレンジワインになります。
一般的に使用されるブドウは黄色みの強い白ブドウか、果皮に若干のアントシアニン色素を持つグリ・ブドウ(ピノ・グリや甲州)が多いです。
ジョージアのクヴェヴリで発酵貯蔵したワインはより色合いが濃いものが多く、アンバー(琥珀色)ワインと呼ばれています。