世界一高いワイン
時は1985年、音楽業界で成功したワインコレクター「ハーディ・ローデンストック」がロンドンのクリスティーズで「シャトー・ラフィット 1787年」を競売にかけました。
かなりワインの状態もよく、3代目大統領トーマス・ジェファーソンが所有していたとされ、クリスティーズで競売にかけられたワインの中でも最も古いヴィンテージでした。
これは歴史上、最も高値がつけられたワインでもありました。
ボトルは10万5000ポンド、当時の為替レートで日本円にして約3000万円でアメリカのフォーブス誌の発行人であるマルコム・フォーブスの手に渡りました。
しかし、このワインをめぐって、様々な論議が交わされていくことになります。
これはノンフィクションで書かれた書籍です。
1億超えのワインもネット上で販売していることもあるね👀✨
ローデンストックは1985年にパリの古い邸宅の地下セラーの壁から、18世紀のワインを見つけます。
シャトー・ディケム1784と1787、シャトー・ラフィット1787、シャトー・マルゴー1787、シャトー・ブラーヌ・ムートン(後のムートン・ロートシルト)1787を発見したとニューヨークタイムズの取材に対して語った記録が残されています。
その中でも第3代米国大統領トマス・ジェファーソンが注文したとされている「Th. J」のイニシャルが掘られたラフィット1787の手吹きボトルが話題になりました。
しかし、ローデンストックは発見の詳細を明らかにせず、疑問の声が上がります。
大富豪ウィリアム・クックは、同じように競売で購入した1784や1787のジェファーソン・ボトルの真贋鑑定のため、元FBI捜査官、鑑定家、物理学者らからなる調査チームを結成し、歴史文書、瓶の組成、放射性セシウム鑑定などを行い、その結果、偽造ワインを販売したとして、2006年にローデンストックを訴える民事訴訟を起こしました。
それでも、ローデンストックは「一本の電話が始まりだった・・・」などと語り、詳細に関しては口を閉ざしたまま2018年5月19日76歳で亡くなっていたことが報道で明らかになりました。
世界一高いワインの真相は今でも闇に消えたまま、ワイン愛好家達の心を揺るがせています。