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物語が由来のワイン
ワインの名前の付け方は5つのパターンがあります。
❶ブドウ品種がそのまま名前になる場合
❷産地名が名前になる場合
❸メーカーが独自につけたブランド名
❹シャトーやメーカーがそのまま名前になる場合
❺物語や逸話などを名前にしたパターン
イタリアやドイツでは歴史上の物語やワインに関する逸話などをワインの名前にしたものが目立ちます。
今回は名前も長くて有名な「エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネ」の紹介です。
エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネとは
名前が特徴的で日本のワインショップやスーパーでもよく見かけるワインなので、ご存知の方も多いワインだと思います。
イタリア、ラツィオ州のワインで、白ワインが有名ですが、実は中甘口のスプマンテもあります。
白ワインに関しては辛口から薄甘口まで、いろんなタイプのものが生産されています。
テロワール
ラツィオ州北部に位置するモンテフィアスコーネで生産されているワインです。
標高は最大500メートルの緩やかな丘陵地帯に広がるブドウ畑で栽培されています。
土壌は、火山由来の凝灰岩で形成され非常に浸透性の良い土壌と、温暖な気候に恵まれており、豊富なミネラル分が特徴的です。
エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネと名乗れる条件
ワイン法により、エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネと名乗るためには、モンテフィアスコーネ、ボルセーナ、サン・ロレンツォ・ヌオーヴォ、グロッテ・ディ・カストロ、グラードリ、カーポディモンテ、マルタで栽培されたブドウであることが条件となっています。
気になる名前の由来は?
エスト!エスト!!エスト!!!を直訳すると・・・ある!ある!!ある!!!という意味になります。
昔はなんの事なのか、さっぱりわからなかったのですが、ある逸話が由来しているワインでした。
時は1111年、ローマ皇帝ハインリヒ5世はローマ法王から戴冠を受けるためにドイツからローマに向かうことになりました。
そして、アウグスブルクの大司教ヨハンネス・フッガー(デフックという名前など諸説あります)、の供として、家来であり有能な騎士、スパイであったマルティンがこの度を同行することになります。
アウグスブルクの「大司教」という高位聖職者であるだけではなく、ワインに長けた存在でした。
大司教は、信頼できるスパイのマルティンを偵察隊として皇帝の行くルートに先回りさせ、おいしいワインを見つけておくようにと命じます。
そして、おいしいワインがある酒蔵や宿屋には「est!ここにあり!」という印を扉に書かせ、後から行ってそのワインを飲むことにしていました。
さらに、飛び切りのワインを見つけた場合には「est!est!!」と2回書いておくように命じていました。
マルティンがモンテフィアスコーネに到着してこの地のワインを味わったとき、そのあまりにもの美味しさに感動して「est!」という印を3回も書いてしまった。
そんなお話から、このワインが登場しました。
このお話は続きがあるのですが、諸説あります。
est!と3回書かれてあったため、いつもの3倍もの量を飲んだ大司教が死んでしまったというお話・・・
その他、大司教一行がモンテフィアスコーネに到着し、そのワインの美味しさに、その場を去ることができず、ローマに向かうのを3日間も伸ばしてしまい、その後1113年に大司教がワインを飲み過ぎて亡くなったというお話・・・
いずれにしても、この大司教の墓には「エストを飲み過ぎた我々の大司教ヨハネス・フッガーはここに眠る」と書かれてあり、今でも愛されているそうです。
日本でもいろんな種類のエスト!エスト!が楽しめます😊
物語を知った上で飲むワインはまた、一段と美味しくなるような気がしませんか?
イタリアのラツィオ州では湖と川に囲まれており、淡水魚によく合うワインが作られています。
エスト!エスト!!エスト!!!ディ・モンテフィアスコーネはトレッビアーノという白ブドウが主体で、とてもお魚と相性が良いのでおすすめです!