ソムリエやワイン好きの方がワイングラスを手に持ち、くるくるとワインを回して飲んでいる姿を見ると思います。
その仕草を「スワリング」と言います。
私も昔はワインを回す練習をしたものです😊
なぜ、スワリングを行うのか
スワリングには2つも目的があります。
1つ目は香を嗅いでワインの本質を知るため
2つ目は酸素と触れ合わせることで、還元臭を取り除くため
醸造・熟成する過程でワインが酸素と交わらないような状況の場合、ワインが酸欠状態となり、卵が腐ったような香りがする場合が多々あります。こういう場合は酸素と触れ合わせることで、回避できます😊
多くの場合、1つ目の香の目的のためにスワリングを行います。
テイスティングを行う場合まずは、グラスを回さず、注がれた状態のワイングラスに鼻を近づけます。
果実やお花、スパイス、ミネラルに植物の香りなど原料となるブドウ本来の香りが立ち上がります。このような香りが第1アロマと呼ばれるものです。
次にスワリングを行います。
グラスの中でワインの香りが広がり、空気と触れ合うことで様々な香りが発散されていきます。この香りを第2アロマといい、どのような過程で発酵されたワインなのかがわかります。
キャンディー、吟醸香
バナナ
杏仁豆腐、カスタードクリーム
などの香りをスワリングによって感じることができます。
木樽内、瓶内で熟成中に現れる香りがあります。
バニラ、ロースト、スパイス、アーモンドなど木樽の香りに酸化による第1アロマ、第2アルマの変化によって現れる複雑な香です。
さらに、これが瓶内で熟成されることによって、アロマが結び付き溶け合い、素晴らしいブーケとなるのですが、これらの香りはスワリングさせることでより揮発されやすい性質があります。
カッコ良くスワリングする方法
グラスを持つ時はまず、グラスのボウル部分ではなく、グラスの脚の下の方を持つようにしましょう。
グラスのボウル部分に手が触れるとワインが手の温度で温まってしまいます。
スワリングの練習をするなら、まずはテーブルにグラスを置いた状態で、右利きの人は反時計回りに、左利きの人は時計回りにグラスを上から軽く抑えて回しましょう。
こうすると、万が一ワインがグラスから飛び散っても人にかかりにくくなります。
立ってテイスティングを行う場合もあります。その場合はテーブルで回すよりも難しいですが、グラスの脚底を支店にしてテーブルの時と同じように、右利きの人は反時計回り、左利きの人は時計回りに回しましょう。
カッコよく飲むためには、家で練習してみましょう😊
スワリングに適していないワイン
スワリングすることで、ワインの状態が変化してしまう繊細なワインもあります。
回しすぎると、せっかくの泡が台無しになってしまいます。
シェリーやポートなどの酒精強化ワインをスワリングすると、香りの成分よりも先にアルコールが揮発して、鼻腔が「ツン」と痛く感じてしまいます。
ヴィンテージでなければ、ワインがスワリングによって、台無しになるということはありません。
グラスを回して酸化が進むと、グレープフルーツの香りの特徴が台無しになってしまいますので、回しすぎには注意です。
デカンタージュ同様、ワインにストレスを与える場合がありますので、ほどほどにしましょう。