デカンタージュ
レストランやバーでは栓の抜いたワインボトルから、デカンタと呼ばれる容器にワインを移し替えることがあります。この瓶のような容器はフランスではカラフェ、英語ではデカンタと呼ばれています。
ところで、デカンタってよくソムリエがやってるの見るけど、どんな意味があるの?
デカンタージュには以下の4つの目的があります。
①熟成によって生じたワインの澱を取り除く作用
②抜栓させたワインの酸化を促し、ワインを覚醒させる効果
③セラーや冷蔵庫から出した冷たいワインを飲用に適した温度に上げる効果
④デモンストレーションによる効果
・還元による影響が弱まる
・第1アロマが上がる
・第2アロマが下がる
・樽香が強まる
・複雑性が増す
・味わいが広がり、ふくよかさが強調され、全体のバランスが取れる
・若いワインの渋みが心地よい印象になる(タンニンの量は変わらない)
デカンタージュのサービス方法
リンスとはソムリエのテイスティンググラスにテイスティング分だけの量を入れて、それをデカンターに移し、中に入れたワインで瓶内部全体のカルキ臭や汚れを落とす事です。
①お客様の了解を得て少量のワインをテイスティンググラスに移します。
②テイスティンググラスのワインをデカンターに注ぎ、デカンター全体をワインでリンスし、また、そのワインをテイスティンググラスに戻します。
③テイスティングを行い、ワインの状態をお客様に伝えます。
④蝋燭の火やランプを準備します。(ボトルの肩の部分を照らし、澱が入らないようにします)
⑤ワインボトルからデカンターにワインを移し、デカンタージュを行います。
・ヴィンテージ物のワインは瓶のボウル部分が狭い物を選び、デカンターの内側に沿って、ゆっくりとワインを移します。
・若いワインの場合は空気との接触を行うために、わざと瓶から離した高い位置から、ボトルに注ぎ込む場合もあります
※デカンタージュを始めたら、作業は停止する事なく、一気に行います。理由は動きを止めてしまうと、ワインの対流によって、澱が回ってしまうからです。
⑥蝋燭の火やランプでしっかりと澱を見ながら、デカンターに入らないギリギリの所までワインを移して作業を終わらせます。
ソムリエの実技試験ではこのデカンタージュをしなければならないので、ソムリエになるには何度も練習が必要です。