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ヨーロッパやアメリカでは紙製のワインボトルが早くも販売開始
ヨーロッパを中心にガラス瓶ではないワインを低品質だという考え方を見直し、環境に優しい紙製のワインボトルで高品質なワインを提供する取り組みが行われています。
オンライン・ワインショップ「The English Vine」では、2020年に設立された企業「Frugalpac」の開発したFrugal Bottleに詰めたワインをオンライン上で販売開始しました。
中身はソーヴィニヨン・ブランを華やかにしたような香りを持つバッカスから造られた白ワインです。
The English Vineでは現在、バッカスのみ紙製ボトルで販売されてますが、5年後には100%全てのワインを紙製ボトルで販売することを目標にしているそうです。
紙製ボトルの販売はイギリスから、そして・・・アメリカへ
カスクワインと呼ばれる紙の大容量のボックス型ワインはこれまでも流通していましたが、紙でつくられたワインボトルをアメリカで今回いち早く導入した会社がカリフォルニアのワイナリー「Truett-Hurst」です。
パソ・ロブレス産の赤ワインが詰められたワインは「ペーパーボーイ」という銘柄で販売されるそうです。
スーパーマーケットのSafewayで発売され、その後は順次アメリカ市場で販売されるそうです。
近い将来日本のワインショップでも約1割程度のワインは紙製になっているのではないでしょうか?
イギリスの環境問題
サステイナブルに敏感なイギリスでは、輸送する際の二酸化炭素排出量の多いガラス瓶に代わり、紙製のボトルを導入し、10分の1の排出量にすることで、気候変動を防ぐ取り組みを開始しました。
その取り組みの背景にはイギリスのゴミ問題も大きく関わっていると思います。
イギリスでは新しいゴミ処理地として使用できる土地がもう残っていないとのこと。
100%生分解できるペーパーボトルにすることで、埋め立てられたゴミ処理場を増やすこともなく、ガラスから紙にすることで製造コストも抑えられるため、コスパにもなるのでこのような取り組みが行われたのだと思います。
紙製のワインボトルとは・・・?
始めてこのニュースを見たとき、紙にすることでワインに紙臭さが移ってしまうのではないか?と不安だったのですが、紙製ボトルの中には再利用可能な食品用パウチが入っていて、ワインを安全に保管できているそうです。
重さはガラス瓶より5倍軽い約82グラム。通常のガラス瓶より5倍軽く、持ち運びも楽になります。
紙製ボトルのほとんどがキャップ部分のみプラスティックのスクリュー式になっていますが、94%リサイクルが可能だそうです。
イギリス南西部ではペーパー容器の牛乳を実験的に販売するなどして、環境問題の取り組みから高い評価を受ているそうです。
紙製のワインボトルに反対意見も・・・
ワインとガラス製のボトルは長い歴史と深いつながりもあり、イタリアガラス産業協会は同じヨーロッパでも反対意見をとっています。
ガラス製のボトルは100%リサイクルが可能との意見もあり、現時点ではどの意見も正しいように考えられ、平行線のままとなっています。
紙製ボトルのメリットとデメリット
○環境問題の取り組みの面から、ゴミ問題、二酸化炭素の排出量を減らすことができる
○コストダウン
○軽く、持ち運びが楽
●ワインの熟成には向いていない
●中身が見えないので、ワインの残量がわかりにくい
という意見が挙げられています。